この看護研究の場合、その問題とは…

9月 14, 2010 kangonikki

自然科学系の論文の場合、問題、解答(結論)、証拠(本文)の順で書かれることもあります。
論文の価値を決めるもっとも大事なことは、論文の長さでも統計処理の量でもなく、その論文が扱う問題がおもしろいか(意義のあることか)どうかです。
例えば、「最近の若者は原宿と浅草とどちらを好むか」という問題を提示し、統計を使って「最近の若者は原宿を好む」という結論を出した論文があったとします。
記述の手続きがどんなに学問的であったとしても、「そんなこと当たり前じゃないか」と誰もが思います。
ですから、その論文の価値はたいへん低いと言わざる得ません。
むしろ「なぜ若者は原宿を好むのか」という問題に答えようとするならば、もっと価値がある論文となります。
この看護研究の場合、その問題とは何でしょうか。
「看護学生が足浴をすると、なぜ患者と看護学生との間のコミュニケーションがうまくいくようになるのか」です。
すばらしい問題設定です。
さまざまな広がりがこの問題の中に孕まれている、そんな予感を与える問題設定です。
もう少し分解してみましょう。
ここでは「足浴→患者と学生の良好なコミュニケーション」という繰り返し起きた経験があります。
すると「本当にそうか」という疑問がわいてきます。
ですから、ある程度事例を集めて、足浴をした場合としない場合、コミュニケーションに差が生じるか調べる必要があるでしょう。
さらに良好なコミュニケーションとは、どういうことを意味しているのかをはっきりさせなくてはいけないでしょう。
そしてもっと重要なのは、「足浴」を人間のコミュニケーションに影響を与えるものとして捉えなおすことです。
そこに研究の失敗の2番目、3番目の原因が関係してきます。

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